浄土真宗の生活信条は、一九五八(昭和三十三)年四月十六日に発布の、
大谷本廟親鸞聖人七百回大遠忌法要「御満座の消息」において勝如上人(前門様)が
お示しになられたものです。
大谷本廟親鸞聖人七百回大遠忌法要「御満座の消息」
このたび宗祖親鸞聖人の七百回大遠忌法要を大谷本廟において予修いたしましたところ、遠近各地より多数の御同朋参詣せられ堂内にあふれるお念仏のうちに、ただ今にぎにぎしく御満座となりましたことはひとえに聖人御遺徳のたまものとこころから感佩するところであります。
おもうに聖人は深く阿弥陀如来の本願を信じ大悲に救われてゆく喜びの上から 常に真剣に報恩謝徳の道を歩まれ世のなか安穏なれ仏法ひろまれと尊い九十年を生き抜かれたのでありました。
この厳粛な聖人の御生涯こそ真宗繁昌の源であり、お流れをくむもののひとしく御恩徳を讃嘆するところであります。
さればこのたびの御法要におあいした所詮には仰いで聖人の御一生を鑑として おのおのうるわしい信仰生活にいそしまれるようここに真宗の生活信条を示します。
一、み仏の誓いを信じ尊いみ名をとなえつつ強く明るく生き抜きます
一、み仏の光をあおぎ常にわが身をかえりみて感謝のうちに励みます
一、み仏の教えにしたがい正しい道を聞きわけてまことのみのりをひろめます
一、み仏の恵みを喜び互いにうやまい助けあい社会のために尽しますいよいよ昭和三十六年の大遠忌正当も間近にせまりました今こそこの生活信条を肝に銘じ力強くこれを実行して浄土真宗の興につとめ社会の福祉につくしていただきたいものであります。
願くは御同朋の方々ますます如来のお慈悲を喜び相携えて念仏の生活に徹し 真宗教徒の本分を全うせられるよう切に念願するところであります。
昭和三十三年四月十六日
龍谷門主釈 勝