第二回<お斎(とき)>

私が自坊に帰って参りまして約4年が経ちました。その間、法要をはじめ、法事、葬儀、お寺参りなど様々な法縁に出遇い、皆様からお育てを頂いています。特に報恩講などの法要に際して、仏教婦人会の方々の献身的な活動には、お世辞ではなく、いつも感心させられています。

仏教婦人会が発足致しまして、約20年になります。歴史を振り返ると様々な活動や実績が挙げられますが、その中でも私が他に誇れる仏教婦人会の活動があります。それは、各法要や研修会の時に、参拝者にお出しする「お斎=おとき」です。

「おとき」とは、仏教行事に際しての会食のことを言います。法事、葬儀の後の会食も「おとき」です。「おとき」は仏事後の単なる食事会や、施主による参拝者に対するお礼ではありません。「おとき」も大切な仏事の一部です。ともに仏事に遇うことができたご縁を喜び、会食を通じて、仏様のご恩を確かめ合う大切な時間です。

「おとき」の料理は精進料理が基本です。普段何気なく食べている生き物のいのちを改めて知り、それによって支えられている我々の「いのちの罪深さ」を知ることです。我々のいのちを支えるために他のいのちを食らうという食事の本来の意義を問い直し、いのちの尊さに目覚めていく場を精進料理(おとき)と言っても良いのではないでしょうか。

報恩講や、永代経、子ども会の日になると、庫裡の炊事場が慌ただしくなります。仏教婦人会の方々が朝早くから集まって、「おとき」の準備を始めておられます。慣れた手つきで手際よく準備が進みます。仏教婦人会の方が手間暇をかけて作られているお斎は、大切な法要の一部です。

仏教婦人会の活動には、会員の皆様の試行錯誤のご苦労があろうと思います。そういった中でお念仏に生かされておる喜びというものに、様々な活動を通して出遇って頂ければと思っております。