第一回<今大切なこと>

新春の四日に、ご門徒の葬儀が勤まりました。この日は、世間では葬儀を行わない友引の日でした。

葬儀を勤めてみると、ホールは貸し切り状態で、斎場へ行くと、ここもまた貸し切りでした。
他の僧侶の読経や、雑音もなく、葬祭ホールにおいて、これほど参拝者全員が亡き人のことを偲び、手を合わせ、落ち着いた雰囲気の中で厳粛な葬儀が勤まったのは久し振りでした。
友引については諸説ありますが、中国の兵法の一つで戦っている二つの国が、今日は正月だから、友に引こうという休戦日に由来し、それが日本に入り死者が友を引く(友引)という俗信に変わったといわれています。
浄土真宗の宗祖親鸞聖人は、根拠のない俗信を大変嫌われました。当流の一番大切な教えは、
「正信偈」の中に、

往還廻向由他力(往くも還るも他力ぞよ)

と示されています。

亡くなった人はたちまち仏様にならせていただき(往)、仏様になったら南無阿弥陀仏の喚び声となって、この世に残した全ての人を阿弥陀如来と一緒に救いとりに還って来る(還)教えです。
亡くなった人は、友を引くのではなく、仏となり私達を仏とする為にはたらいて下さっています。

浄土真宗の盛んな安芸地方では、友引の日でも葬儀が勤まります。

私達の一生はあっという間です。迷信、俗信にこだわる生き方より、亡き人の死を自分の問題として受け止め、今仏様に見守られておることを聞きながら、仏様と共に歩む生活を送ることが大切なのではないでしょうか。